インプラントの選び方

どの医院を選ぶかによって、受けられる治療は変わります

「歯の治療なんてどこでも一緒」そのようにお考えの方もいらっしゃるかもしれません。確かに、一昔前は実際にそうでした。しかし現代では、近年医学や機械の技術の進歩により、同じ症状の治療でも様々な方法を選べるようになっています。

また、同じ症状であっても、どういう治療を行うかは、医師や医院によって全く違ってきます。

インプラント歯科の選び方

医療は専門性が高いため、患者さんが医院や医師の質を判断するのは難しいものです。

また、誤った判断基準が蔓延していたりもします。

このページでは、当院における数百件のインプラント治療の経験や、海外や学会などでの研究を元に、「安全で長持ちするインプラント治療を受けられるインプラント歯科の選び方」をまとめました。

まず、インプラント歯科を選ぶときは、

大きく、;
・医師の技術

・医院の設備

・医院の体制

・インプラントの質

という4つの視点でチェックしてください。

医師の技術をどうやって判断すればいいの?

医師の技術は、経験と研究によって決まります。
医師が今までどんな経験と研究をしてきたのかを確認することで、医師の技術を判断することが出来ます。

経験

インプラント手術は、通常の歯科医療とは違った外科手術です、そのため、口腔外科医としての経験を持った歯科医が担当するのが理想です。神経や血管に対する扱いというのは、外科医の経験がなければ判らないことがたくさんあります。国内で起きたインプラント事故の大半は、担当医が外科医として経験が浅かったばかりに起きてしまった事故なのです。

一般的な歯科医は、歯科としての経験は豊富でも、外科医としての経験を積む機会はほぼないので、担当の歯科医さんがどれくらいの症例数をこなした経験があるのかは、必ずチェックしてください。聞きづらいかもしれませんが、大切なご自身の体のことです。症例数を聞かれて不機嫌になるような医師に手術を任せるのは、何よりあなたのためになりません。

当院でインプラント治療を担当している相場隆広医師には、日本トップクラスの口腔外科医とともに、口腔ガン手術などの高度な医療経験があります。また、麻酔経験は250例以上、入れ歯治療では年間400症例以上を担当しています。これは、一人が受け持った患者数としては、日本一の数となります。

相場隆広 副院長・医師

【経歴】
昭和46年秋田市に生まれる。
函館ラサール高等学校
岩手医科大学歯学部
秋田大学医学部付属病院歯科口腔外科
秋田労災病院
あいば歯科医院

所属学会
頭頸部がん学会
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会

スタディーグループ
一水会 会長

(さらに詳しいプロフィールはこちら)

研究

経験は重要ですが、それだけでは「最新の医療」に疎くなってしまいます。日本は、歯科医療という面でも、情報の遅い国です。海外では標準的となっている治療法でも、日本で浸透するには数十年を要することがあります。

特に、インプラントのような高度な治療を行う場合であればなおさらのこと、海外の論文や学会での発表、医師同士で開く勉強会などを通しての研究は欠かせません。

当院では、医師全員が、常に海外の最新論文に目を通し、治療経験や研究を元に、学会での発表なども定期的に行っています。

【学会での発表に使った資料の一部】

また、秋田の熱意ある歯科医師の勉強会『一水会』の理事も務めています。

医院の設備をどうやって判断すればいいの?

安全にインプラント手術を行うためには、最低限以下の設備が必要になります。

治療を受ける前に以下の設備が揃っているか確認しておくことをお勧めします。

1.通常の治療室と分離された手術室

2.滅菌水

3.インプラント用の特殊な低回転ドリル

4.最高品質の医科用CT

5.患者さんの体を守るモニター

1.通常の治療室と分離された手術室

インプラント治療は、切開、抜歯、骨造成、埋入、ときわめて外科的な処置を行います。ですから通常の外科手術と同じように、徹底した衛生管理が必要となります。医院の中には、通常の治療室をインプラントの手術時にも利用しているところもありますが、これは患者さんの安全という点から、あまりお勧めできません。

当院では、専門の手術室を完備し、清潔域と一般域とを区分けすることで、感染症対策を徹底しています。また、手術室は当然、空気、水すべてが滅菌されています。

【通常の治療室と完全に分離された手術室】

滅菌し、細菌の出入りを完全に遮断しています。

【手術台】

手術が終わるたびにカバーを取り外し、

全体を拭き上げ、滅菌を徹底しています。

インプラント室

インプラント室

2.滅菌水

手術中は大量の水を使用します。外科的な処置をするわけですから、当然この水は滅菌されている必要があります。

【水を滅菌する装置】

この装置ですべての水を殺菌しています。


電解中性水生成装置

電解中性水生成装置

口をすすぐための水の噴出口からも、
滅菌された水が出ます。


水が出るところ

3.インプラント用の特殊な低回転ドリル

一般的なインプラント手術で使用されているドリルには、毎分800回転の高速設定でドリルを回すようにメーカーの指定があります。これは、ドリルの回転を高速にすることで一定の力で操作できるようにするためです。この速度であれば誰でもある程度簡単にドリルを使用することが可能です。
ところが、その回転数で回すと、骨の状態によってはドリルがぶれてしまい、穴の大きさがインプラントの太さより大きくなってしまうことがあります。

そのため当院では、毎分20〜50回転のきわめて低速なドリルを使用しています。ぶれの少ない低回転ドリルを使用することにより、極めて高精度なインプラント治療が可能になっています。さらに、ペダルを踏む力加減で回転数を自由に変えられる装置を足下に設置して、可能な限り繊細な動きを、ドリルの刃先に伝えられるようにしています。また、ドリルが低回転のため、歯科特有の「ウィーン」という音が響きません。

【インプラント用の特殊な低回転ドリル】

通常より少ない回転数を実現できます。

【ドリルの回転数を変える装置】

ドリルの回転数をコントロールできます。

ドリルの回転制御装置

ドリルの回転制御装置

【ドリルの回転制御装置】

これを足で踏むことによって、ドリルの回転数の微妙な変化を生み出すことができます。


ドリルの回転制御装置

4.最高品質の医科用CT

手術の前に撮るCTはインプラント手術ではとても重要です。この目的は大きく2つあります。

1つは、2次元のレントゲン写真ではわからない、立体的な骨の厚みを把握するためです。あごの骨はすり鉢状の形状をしていますので、前からレントゲン写真で見たときは、インプラントを埋め込むための厚みがあるように見えても、横から見ると、途中で骨がなくなっていることがあるのです。ですから、3次元映像で骨の構造が把握出来るCTを使って、インプラントをしっかりと埋め込むスペースが骨にあるかどうかの確認を行います。

2つめは、CTを見て、アゴの骨の密度がどれくらいかを確認するためです。インプラントを入れるための穴の大きさは骨の密度によって微妙に調整する必要があります。つまり、インプラント治療においては、CTを見て骨の密度を正確に把握するkとが重要になります。

インプラント治療に使用されているCTには、医科用と歯科用のものがあり、通常の歯科医院では歯科用のCTを使用しています。しかし、歯科用のCTは骨の密度を計測するのには適していないため、正確な骨の密度が測定できません。

これを解消するためあいば歯科では、様々な最新鋭の検査設備を保有する秋田メモリアルクリニックと提携し、歯科医院でありながら医科用CTで骨密度の測定検査を行っています。この医科用CTは骨の量を検出することができるので、歯科用CTよりも正確に骨密度を計測できます。

5.患者さんの体を守るモニター

手術中の患者さんの体の状態は、血圧などが常に変化します。そのため、血圧、酸素飽和度、心電図などのモニターは必須です。

【心電図のモニター】


心電図モニター

心電図モニター

医院の体制をどうやって判断すればいいの?

安全にインプラント治療を行うためには、医院の中で以下4つの体制が整っている必要があります。治療を受ける前に以下の体制が整っているかを確認することをお勧めします。

1.インプラント専門ではない、総合的な歯科医療を行っている

2.見積もり・治療計画書を紙で出してくれる

3.歯科衛生士、技工士がインプラント治療の経験がある

4.手術レベルでの衛生管理体制がある

1.インプラント専門ではない、総合的な歯科医療を行っている

例えば、ガンの治療を例に考えてみます。まず、診察や検査によって、患者さんの容体を判断します。その上で、放射線治療、手術など、最適な手段を選択します。その後も、診察や検査で容体を確認しながら、治療を継続していきます。
つまり、診察や検査と、治療手段(手術)は常に一体なのです。これはあらゆる医療の原則です。インプラント治療も同じです。あくまで患者さんのお口を診察した上で、問題の解決策としてインプラント治療を行い、その後も健康な状態を維持できるよう、継続して診察や検査を行います。

さらに、患者さんによっては、インプラントよりも他の治療が適切だったり、インプラントに併せて他の治療も必要としたりすることがあります。何が何でもインプラントありき、ではなく、患者さんのお口の状態に併せた最適な治療法があるはずです。
ですから、インプラント治療を行う場合でも、総合的な歯科治療を柔軟に行える医院を選ぶ必要があります。

あいば歯科では、インプラントだけではなく、入れ歯や差し歯、ブリッジ、虫歯治療や矯正など、総合的な歯科医療の視点で、患者さんに最適な検査、治療、提案をしています。

インプラント以外の治療も日常的に行っています

2.見積もり・治療計画書を紙で出してくれる

インプラント治療の詳しい見積書や治療計画書は、文書という形で必ずもらって下さい。当院では、患者さんに安心していただけるよう、すべての情報をオープンにして、詳しい内容の見積書と治療計画書を必ず文書にしてお渡ししております。

治療計画書の例はこちら

3.歯科衛生士にインプラント治療の経験がある

インプラント治療の場合は当然、歯科衛生士にも通常の歯科医療とは違う対応が求められます。医師と同じように、この場合も経験数が重要になります。しかし、通常の歯科衛生士がインプラント治療の経験を数多く積むことは難しいのです。

当院の歯科衛生士は、医師と共に多くのインプラント治療に携わってきたベテランです。

(歯科衛生士のご紹介はこちら)

歯科衛生士、技工士がインプラント治療の経験がある

歯科衛生士、技工士がインプラント治療の経験がある

4.手術レベルでの衛生管理体制がある

歯科医院の内外が整頓され、清潔に見えることはとても大切なことです。

衛生管理体制

清潔な環境はそれだけで気持ちが落ち着くものです。
歯科医院は、感染予防の観点から病原微生物がいない状態で患者さんの治療にあたる必要があります。
そのため、高性能の滅菌器を装備していることを宣伝している医院も多くなってきました。
しかし、滅菌器を装備しているだけでは不十分なのです。

たとえ滅菌されたとしても、不潔な手で触れたり、不適切な方法で保管されていては、意味がありません。
高性能の滅菌器は最低限必要なものですが、それだけは十分ではなく、

一番大切なことは、医院内を、清潔域と一般域に区分けするルールを作ってそれを徹底するということなのです。
以下では、あいば歯科での感染予防システムをご紹介します。

基本ルール

1.患者さんに触れるものは滅菌する。
2.患者さんに触れたものは、滅菌するまで一般域に出さない。

この2つのルールは、
当たり前のように思われるかも知れませんが、実は、大学病院などで外科手術をする場合と同じなので、一般の歯科医院でこのルールを守るのは非常に難しいことです。
大変な手間とコストがかかるので、通常の歯科医院ではほとんど守られていません。

1.患者さんに触れるものは滅菌する。

衛生管理体制

あいば歯科の治療用のイスは使用のたびに拭き上げ滅菌しています。

衛生管理体制

うがい用のお水は、高機能殺菌水です。数回のうがいで、お口の中の病原微生物を激減させることができます。
あらかじめお口のなかの微生物レベルを下げておくことが、あとで処置をする際に大切になってきます。

衛生管理体制

医師が使用するゴム手袋は、毎回新しいものを使用しています。再使用されることはありません。

衛生管理体制

医師がお口を診査するときに使用する器具は、適切な洗浄方法で滅菌されて、適切に保管されたものです。

衛生管理体制

歯を削るための器具は、適切に洗浄して滅菌されたものです。また、ハンドピース(ドリルの柄の部分)は、一回使用するごとに洗浄し滅菌しています。

衛生管理体制

歯を削るときに機械からお水が出ますがこのお水も高機能殺菌水です。歯を削ると粉塵にまぎれて細菌が発生することがありますが、この殺菌水によって瞬時に殺菌されます。

被せものを作る際に、歯の型取りをしますがこのときに使用する型枠は高性能殺菌水で練り上げられた粘土から作られているので、もちろん殺菌されています。型枠から模型を再現する際には、1階の診療室と2階の技工室の間を、専用のエレベーターを使って移動させています。

完成した被せものを入れるときは、その被せものは高性能殺菌水で殺菌されています。
完成した被せもの物を装着する自分の歯自体も、音波ブラシと殺菌水で消毒してから装着します。

もし歯を消毒しないと、被せものと自分の歯との間に細菌が入ってしまい、虫歯の原因となるので大変危険です。
このように、患者さんのお口に入るものはすべて滅菌されているのです。

2.患者さんに触れたものは滅菌するまで一般域に出さない

使用した器具は、まず最初に目で確認できる汚を拭き取ります。
使い捨ての製品は医療用廃棄物のゴミ箱へ捨てます。当院では衛生管理を徹底しているので、廃棄物が他院と比べてかなり多く出ます。それらは一般ゴミとはやはり区別しておき、専門処理業者のアサヒプリテックさんにお願いして処理してもらっています。
使い捨てをしない機械、器具類は、強アルカリ水の超音波槽で一次洗浄をします。これで、血液その他細菌を溶解洗浄します。

二次洗浄は、高性能殺菌水の超音波槽ですみずみまで殺菌します。この水は殺菌効果が非常に高く通常の細菌、ウイルスはほぼ瞬時に殺菌できます。芽胞菌と呼ばれる一番生命力の強い菌も超音波槽での5分の洗浄で死滅します。
ただ、その方法を長時間行うと器具を痛めてしまうことがあるので、中和水で三次洗浄をします。
ここまでの処理が終わると、病原微生物は死滅しているので、一般域へ出すことができます。最後に、保管のために袋詰めやパッキングをした後、高性能滅菌器で滅菌します。

そして、水のかからない清潔な場所で保管します。

あいば歯科では、これら2つのルールを徹底して守ることで、病原菌が拡散する可能性を限りなくゼロに近づけています。
そして、だからこそ感染予防が万全と言えるのです。
ここまでの衛生管理ができている歯科医院はほとんどありません。

インプラントの質をどう判断すればいいの?

インプラントには約100種類以上も種類があると言われています。インプラントの料金はその中でどのインプラントを使用するかによって変わってきます。
特に低価格のインプラントの中には、医学界でも賛否両論のあるものも多数あります。そのようなインプラントには、手術直後は問題なくても、5年、10年という視点でみると、リスクの高いものも多いです。ですから、長期的な実績がないメーカーのものは極力避けた方が良いのです。

当院では、数あるインプラントの中でも、最も歴史と実績があり、最高級品質で誇る、ブローネマルクを使用しています。

もちろん、最高級のインプラントなので高額になってしまいます。ですが、当院で採用している治療法「オールオンフォー」は、あご全ての歯(12本)を、4本のインプラントで支える治療法のため、粗悪なインプラントを12本使用するよりも低額で治療が可能です。

インプラント「オールオンフォー」

「でも、4本のインプラントで12本の歯が支えられるの?」と不安に感じられるかもしれませんが、これは全く問題ありません。この点について、詳しくはこちらをご覧ください

以上、長くなってしまいましたが、インプラント治療を検討される場合は、

・医師の技術

・医院の設備

・医院の体制

・インプラントの質

という4つの視点で、医院を選んで下さい。

専門的でわかりづらい話ですので、もしご不明な点や、ご不安がありましたら、お問い合わせ頂くか、一度初診をご予約下さい。

初診の場合は、まずは通常の保険診療として、患者様の状態を正確に把握した上で、インプラントに限らず、最適な治療をご提案します。