1日インプラントとは?
インプラントとは、失った歯を自然の歯に近い状態に復元する治療のことです。 歯は、一度失ってしまうと、二度と自然には再生されません。 失った歯を再生する方法としては、差し歯やブリッジ、入れ歯といったものがあります。 それら数ある再生治療の中で、自然の歯にもっとも近い状態に復元できるのが、イプラントント治療と呼ばれる方法です。 |
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1日インプラントとはインプラント手術から歯の設置までを1日で行う治療の事です。 従来のインプラント手術には、約6ヶ月もの日数がかかっていました。 しかし、世界一のインプラントセンター院長である、ポルトガルの「パウロ・マロー博士」が開発した、オールオンフォーという方式が、6ヶ月を1日に短縮することに成功しました。 このオールオンフォーという方式を使って、手術から歯の設置までを1日で行うのが1日インプラント治療です。 |
従来のインプラント治療を行ったAさんの場合
従来のインプラント治療を行ったAさんは、インプラント手術をしてからも約半年間は入れ歯のまま過ごし、その間の食事はおかゆなど、今までと同じ柔らかいものだけだったそうです。 初めて医院を訪れた日から数えると、歯が入った時には約1年間もの歳月が経っていたそうです。 |
1日インプラント治療を行ったBさんの場合
1日インプラント治療を行ったAさんはインプラント手術をしたその日に歯が入りました。その日からご飯やパンなど普通の食事が出来ました。手術の1ヶ月後には、おせんべいなどの堅いものも普通に食べることができました。 |
ではどうして、従来6ヶ月もかかっていたインプラント手術を、たった1日で完了させることができるのでしょうか。 |
1日で安全に歯が入る主な理由は3つあります。 |
●従来のインプラント手術が6ヶ月も掛かっていた理由 例えば、ゆるい穴にねじを差し込んだ場合、当然、ねじはグラグラしますよね。 従来のインプラント手術は、これに近いものがありました。だから、最初はインプラントと骨の間にすきまがあり、完全には固定されていませんでした。当然、この時点では「噛む」という大きな力を加えることはできません。 そして、徐々に骨が育ってすき間が埋まってきて、インプラントと骨がしっかりと固定されたら初めて、噛めるようになっていたのです。 なお、最初にインプラントを骨に埋め込んで固定することを「初期固定」と言います。 その後、骨が育ってきてインプラントと骨がくっつく(結合する)ことを「生物学的固定」といいます。 |
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従来のインプラントはこの「生物学的固定」を待っている時間が、数ヶ月あったということです。 ではもし、最初からしっかりと固定することが可能だったらどうでしょうか? これを可能にしたのが「1日インプラント」なのです。 といっても、本当に最初からしっかりと固定できるの?それだけで大丈夫なの?と心配になりますよね。 ●オールオンフォーが強い初期固定を得られる3つの理由 従来よりも長いインプラントを使用することで、より深く足場を確保することができます。建築でも、基礎工事をなるべく地中深くまで施すことで、建物の安全性が高まるのとまったく同じ理屈です。 しかし、その当たり前の理屈を実行しようとして長いインプラントを使用すると、上あごの骨の上にある空洞(サイナスと言います)に突き出てしまいます。 従来のインプラント治療でもこのことはよく理解されていましたので、その空洞(サイナス)までインプラント埋め込みたいのであれば、骨を作って対処していたのです。 もちろん、ゼロから骨を作るわけですから、非常に時間がかかります(骨折だって、直るには時間がかかりますからね)。 ですから、6ヶ月に加えてさらに数ヶ月の長い長い準備時間が必要になっていました。 「せっかく手術をしたのに、いつになったら噛めるようになるの?」と思ってしまいますよね。 そこでマロー博士が編み出したのが、『インプラントを斜めに埋め込む』方法でした。 |
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・傾斜埋入インプラント これならちゃんと長いインプラントを差し込んで、最初からしっかりと固定することが出来ます。 ・穴の大きさと、インプラントの太さの調整 隙間のあるゆるい穴にインプラントを差し込むのではなく、ピッタリの穴にインプラントを差し込むことが出来たら、最初からしっかりと固定されますよね。これは、外科手術の経験が豊富な歯医者さんでないと難しいのですが、「インプラントを入れるために骨に空ける穴」と、「インプラントそのものの太さ」をギリギリのところで調整することによって、かなり強固な「初期固定」を得ることが可能になるのです。 |
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通常のインプラント手術では、分間800回転という高速度で骨に穴を空けます。たしかに、スピーディーに手術が出来るというメリットはあるのですが、どうしても穴のサイズが大きくなってしまいます。あいば歯科では、分間20〜50回転という超低速度で、インプラントが入るギリギリの大きさの穴を空けます。これが、最初から強固に骨にインプラントを固定する秘訣です。 |
●12本の歯を4本のインプラントで支えることが出来ます |
そこで、インプラント4本に、12本の歯が乗っている形態が考案されました。 これが「オールオンフォー」の名前の由来です。すべての歯を、台形に組まれた4本のインプラントが支えます。
従来法で12本のインプラントをあごの骨に埋め込んだ画像が下記のものです。見るからにあごの骨に負荷が掛かりそうですよね。 また、12本ものインプラント手術を1日で行おうとすれば当然手術の時間が長くなり、体への負担も大きくなります。 |
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【上下の顎の骨に12本ずつインプラントを入れたレントゲン写真】 |
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それに対して1日インプラントは、4本のインプラントで12本の歯を支えます。画像で見ても、あごの骨に負荷が少なそうですよね。体への負担も最小限に抑えられます。インプラントの本数も4本と少ないので手術も約2時間で終わります。 |
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【オールオンフォーのレントゲン写真】 |
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●オールオンフォーができるだけでは1日で歯は入りません 通常のインプラント手術では、インプラントの上に被せる歯の部分は技工所に製作を依頼するため、歯の部分が出来上がるのはインプラント手術を行ってから数週間後になります。 1日インプラントでは、午後いっぱいかけて技工士が付きっきりで被せものを作ります。出来上がってからの調整も、その場ですぐにできるためその日のうちに製作から調整まで行うことが可能です。院内に技工所があることでかなりの時間を短縮することが出来るのです。 以上の3つの理由で従来6ヶ月もかかっていたインプラント手術を、たった1日で完了させることができます。 |
・肉体的負担を抑えられる また、埋め込むインプラントの数が少ないので、術後にお口が腫れることはまずありません。
・従来不可能だったケースでも手術可能 ・わずかな来院回数で治療が終わる また、お子さんやお孫さんの結婚式に向けてインプラント治療を考えている方も、短期間で治療が終了するので、当日に間に合わせることができます。 ・手術の日の夜から食事がとれる |
以下は1日インプラント限らない、入れ歯やブリッジなど他の再生治療と比べたインプラント治療全般のメリットとなります。もちろん1日インプラントはこれらのメリットも満たしています。 ・強い力で噛める
・臭わない
・取り外して洗浄する手間がない ・異物感がない ・不意にはずれる心配がない インプラントならしっかりと固定されているので、その心配がありません。 ・自由な表情が作れる 骨の状態によっては1日で治療するのが難しい場合があります。 初診の場合は、まずは通常の保険診療として、患者様の状態を正確に把握した上で、インプラントに限らず、最適な治療をご提案します。 |